デニム・ブランド Kapital が掲げるクラフトマン・シップとは?

デニム・ブランド Kapital が掲げるクラフトマン・シップとは?

この記事では、デニム・ブランド「Kapital(キャピタル)」が掲げるクラフトマンシップについて詳しくご紹介します。

世界的な人気ブランドとして知られている Kapital ですが、ブランドを支えるクラフトマン・シップの精神は、日本独自の職人気質と前衛的なデザイン精神を融合させた、世界でも非常にユニークな哲学を持っています。

・「Made in Kojima」— 聖地で育まれるものづくり

Kapital は、岡山県倉敷市児島を拠点としています。児島は日本のジーンズ産業の聖地として知られ、国内外のデニムブランドに生地や技術を提供してきた歴史があります。

Kapital はこの土地の伝統と技術をフルに活かし、全工程をほぼ自社内で完結させる徹底ぶりを持ちます。布づくりから縫製、加工に至るまで、Kapital は “地産地消” のスピリットを貫いています。

・手仕事へのこだわりと一点物感

Kapital の製品には、手刺しの刺し子、古布のパッチワーク(ボロ)、手染めのインディゴなど、手作業の工程がふんだんに含まれています。これにより、1点1点に違いがあり、まさに“着るアート”とも言える個性が生まれます。

効率ではなく “味” を重視。人間の不完全さこそ美であるという哲学が根底にあります。

・アヴァンギャルドな視点 × 伝統技術

Kapital の大きな魅力は、クラシックな素材や技法をベースにしながらも、サイケデリック、ヒッピー、アメリカーナ、ミリタリー、民族衣装など、非常に幅広いカルチャーを再構築する実験的な姿勢です。

– 伝統的なデニムジャケットに、手刺しの刺し子やスカル柄を大胆にミックス
– 和の藍染に、グランジロックの雰囲気を融合
– アメリカンビンテージの再解釈を日本の繊細な縫製で実現

クラフト=古風、という固定観念を壊し、クラフト=自由な表現へと昇華させているのが Kapital です。

・服に “哲学” を込めるブランド精神

創業者・平田晴信氏、そして現在は息子でデザイナーの平田一成氏が中心となり、「服とはアイデンティティの表現である」という思想のもと、量産では表現できない “生きた服” を作り続けています。

使い込むほどに表情が変わる。服との対話を楽しんでほしい」というメッセージが根底にあります。

・“世界基準” ではなく、“自分たちの基準”

Kapital はパリ・ニューヨークでも評価されていますが、流行や市場に迎合するのではなく、「自分たちが本当に良いと思うものをつくる」という姿勢を崩しません。これもまた、日本的な職人の精神です。