いつもと異なる Kapital 2023 サマーセールについて

いつもと異なる Kapital 2023 夏セールについて

毎年6月下旬から7月上旬にかけて、待ちに待ったサマーセールのシーズンが到来します。毎年この時期には Kapital のサマーセールを訪れ、アーカイブのアイテムを探し求めています。しかし、2023年の夏は少し様子が異なりました。

私は地道な生活で貧乏暇なしのため、今年はあまり Kapital の店舗に足を運ぶことができませんでした。そのため、欲しいアイテムがあるときはオンラインでピンポイントで購入し、試着してサイズ感を確認したいアイテムがある場合だけ店舗に行くというスタイルを取っていました。

そのためか、これまではサマーセール前にはプレセールのインビのハガキで送られてきたのですが、今年は私の貢献度が足りず、インビは送られて来なかったものと思いました。

7月1日に東京の店舗でもセールが始まったため、翌日に Kapital Naked に足を運びました。しかし、インスタグラムや店舗の入り口に「sale」と書かれている割には、セールスペースは少し寂しく、セールの翌日に訪れたことも関係しているのかもしれません。

それでも、私がセールで買おう狙っていたラップパンツが、しかも欲しかったサイズで残っていたので、それを購入しました。Kapital 歴が長くなると、今季のセールでどの時期のアイテムが回ってくるか?が予想できます。

デニムのラップパンツは2種類持っており、以前は自分に合ったサイズを選んでいました。しかし、近年ではワンサイズ上を着た方がサマになることを学びました。

その後、ダッフルとレグスに行き、レグスで買おうとしていた八百屋帽子 (つばの短いセンチュリーデニムの番号が記載された帽子) を購入し、レグスのスタッフさんと話していると、インバウンドの影響で Kapital の在庫がかなり売れているとのことで、その影響で今年はセールアイテムが少ないということでした。

確かに!!!今年何度が店舗に伺っていますが、明らかに商品の捌けるスピードが早く、Naked やダッフルの在庫が少なく感じていましたし、ボーン (骨) 系のアイテムに関しては、ネットショップで捌けるスピードが近年最も早い (音速) スピードで消化されています。

多分韓国ユーサーだと思うのですが、Kapital ぐらい人気になると一般の消費者は、各国のバイヤー (特に中国、韓国) との戦いに勝たないと、これ系のアイテムは購入することができませんね。

コロナ前、少し後ぐらいは、Kapital の店舗に行くとほぼ毎回中国人のバイヤーさんがいたので、こういう人を通じて中間層やそれ以上の人に Kapital が流れていたように思います。

しかし現在、中国経済は明らかに減速の兆しが見えています。経済の世界では、日本と中国はコインの表と裏と言われることがあるのですが、これから中国は、日本が辿ってきたような失われた何十年という停滞期に入った可能性があります。

既に中国では若者の失業率が増加傾向にあり、これらのバイヤーさん達の市場も少しクールダウンするのではないでしょうか。興味深いのは韓国です。

韓国も庶民レベルになると、Kapital のアイテムを買えるような財政状況ではないと思います。しかし、BTSや女性アイドルなどが Kapital を着用したことで、韓国の芸能層/クリエイター層、若い層?にも Kapital ブームが燃え続けているようです。

思い返せば、今年店舗には数回して行ってないですが、当たり前のように毎回韓国の若いお客さんがいらっしゃいます。この状況を見ると、韓国の若い子は、Kapital で服を買うのがメインで、そのついでに日本も観光する (都内の流行りのカフェや飲食店に行く) みたいな観光スタイルが流行っているのではないでしょうか。

色々と重なるのですが、他のデニムブランドで韓国でも人気のある Ordinary Fits も、急にあるアイテムの在庫がなくなる、みたいな現象があったのですが、多分バイヤーの方が買っているのではないか?と思った次第でした。

Kapital というブランドで経済を見てみると、ブランド名の「Capital (キャピタル = 資本)」がどのように流れているのか?を観察することができますので非常に興味深いです。Kapital はデニムのブランドですが、ある意味デニムの世界通貨として捉えることも可能だと思います。

何故なら、Kapital というデニムブランドは今日の世界では世界共通であり、例えば世界の覇者的ブランド、ルイヴィトンなどのブランドという概念とは少し異なります。Kapital はストリート的な側面も持っていますが、Supreme のようなハイプ的なブランドとも異なります。

Kapital の洋服の背景にあるのは、職人的な服作り、日本人の丁寧な仕事、デザイン、素材の良さ、価格設定など、全てがバランスを良く配置されいるように感じます。今後長期で見ると、日本円の価値が毀損することが予想されます。

既に日本人が Apple の新商品を買えなかったり、洋服はユニクロ、GUで買う、みたいな若者が増えていますが (事実上安い服しか買えない)、円価が長期的に死ぬ時に、今以上に Kapital の服を買いに来る海外の人が増えるのでしょうか?