orSlow、デニム・カバーオールの歴史を振り返る

orSlow、デニム・カバーオールの歴史を振り返る

今回は orSlow の歴代カバーオールについてご紹介したいと思います。私にとって、orSlow のカバーオールと言えば定番モデルでほぼどこにでも流通している「50’s Denim Coverall (50’s デニムカバーオール)」シリーズです。

50’s Denim Coverall

数年前には、この 50’s Denim Coverall タイプの、裏地にクラシックなチェック柄のフランネル生地を使用した「Lining 1950’s Coverall Denim OW+Check」も少ロットで販売されていました。

ちなみに、orSlow で個人的に一番好きなデザインがノーカラータイプの「Railroad Jacket Denim Used (レイルロード ジャケット デニム ユーズド)」です。このポケットのデザイン、ディテール、生地感とたまりません。

デニムのノーカラージャケットについて

1940s COVERALL シリーズ

最近、人気インフルエンサーの Drew Joiner(ドリュー・ジョイナー)のインスタを見て気づいたのですが、彼が着用しているジャケットが orSlow の「1940s COVERALL」シーリズの生地がヘリンボーンのブルーカラーという、廃盤のモデルではないか?と思います。

Drew Joiner(ドリュー・ジョイナー)は、ファッション業界で活躍するコンテンツクリエイターであり、特に日本のメンズウェアに詳しい人物です。彼は「Beyond the Garment」というポッドキャストを主催し、ファッションやコンテンツ制作、文化など多岐にわたるテーマを取り上げています。

このヘリンボーン生地感、爽やかなカラー、ユーロワーク感、ペインティングと全てが絶妙でたまらないですね。このシリーズには、生地やカラー違いで多数展開されています。

NYブルックリンのブランド Knickerbocker Mfg. Co. が初期の頃にリリースしていた、「Service Chore Coat Herringbone Twill」にもディテールが近いのかもしれません。

このジャケットは、ヴィンテージのUSMCサービス・コールにインスパイアされた、9オンスの日本製コットン・ヘリンボーン・ツイルを使用していました。

更に、日本製コットンヘリンボーンツイルに洗いをかけ、ソフトな手触りと着古したような風合いに仕上げています。また細部には、黒の銅製13スター・タック・ボタンとヴィンテージの機械で織られたラベルがあしらわれています。

40’s Denim Coverall

こちらの「40’s Denim Coverall」は、1940年代の戦時中に製造されたシンプルなデザインのカバーオールから着想を得ています。当時のワークウェアは、機能性を重視しつつも、素材やディテールに独自の工夫が施されていました。

このカバーオールは、9オンスのライトウェイトなセルビッジデニム生地を使用し、旧式のシャトル織機で織り上げられた柔らかい生地感が特徴です。

また、フロントボタンには月桂樹をあしらったドーナツボタンを採用し、左胸のポケットにはペン差しが付くなど、当時のディテールを忠実に再現しています。これらの要素により、ヴィンテージ感と現代的な着心地を両立させた一着となっています。

50’s と 40’s カバーオールの違いとは?

現在では、「50’s Denim Coverall」と並んで定番の「40’s Denim Coverall」は良く見ますが、数年前まで生地違いや柄生地で展開されていたようです。

海外では、2021年前後にミリタリーカラー、ヘリンボーン生地の「40’s Coverall」が別注で発売されており非常に羨ましかったです。日本でもいつか展開して欲しいですね。

orSlow の「40’s Coverall」と「50’s Coverall」の違いは、40’s の方がシンプルなデザイン (ポケット3つ) に対して、50’s では三本針ステッチが肩から脇にかけて縫われており、ポケットは4つになっています。

2024年の新モデル「Loose Fit Denim Coverall」

2024年には、トレンドに合わせて orSlow もオーバーサイズの「Loose Fit Denim Coverall」という新しいカバーオールをリリースしました。ポケットのデザインも Lee や BIG MAC のカバーオールに見られるデザインを採用していたりと、非常に興味深いです。

【関連記事】進化し続ける Kapital の魅力的なカバーオール

進化し続ける Kapital の魅力的なカバーオール